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生産性の高い組織になる鍵は、管理職の力量

シリーズ第3回 「原理原則に合せる」

会社が永続的に成長し続けるためには、「生産性の向上」は欠かせません。
限られた時間と人員のなかで、どれだけ高い成果を出せるか・・・。
この課題に正面から取り組むことこそが、組織運営を牽引する管理職の使命です。

そして、生産性の高い組織づくりを実現するための大事なポイントが「原理原則に合せた運営」を行うことです。
原理原則とは、「変わらないもの」、「変えてはいけないもの」、「揺るがないルール」です。
たとえば、水は必ず高いところから低いところに流れます
これは、どんな時代でも地域でも変わりません。

組織運営にも、同じように「原理原則」が存在します。
それを無視して努力しても、生産性は上がりません。一時的に効果が出る場合もありますが、
逆にその偶然の成功体験により、後々ムダで不要なエネルギーを消耗し、結果的に疲弊することになります。

■原理原則の具体例

①情報の透明性を確保する
【原理原則】情報は、共有されてはじめて組織力になる。
【ふさわしい行為】部署間の壁をなくし、オープンに情報を共有する。
【ふさわしくない行為】特定の人しか情報を持たず、ブラックボックス化する。

②役割と責任を明確にする
【原理原則】人は役割があってこそ、力を発揮する。
【ふさわしい行為】「誰が何をするのか」を明確にし、責任の所在をはっきりさせる。
【ふさわしくない行為】あいまいな指示で、属人的に仕事を進める。

③問題は早期に解決する
【原理原則】放置された問題は必ず大きくなる。
【ふさわしい行為】小さなうちに問題を抽出し、関係者で早急に対処する。
【ふさわしくない行為】「今は忙しいから」(見て見ぬふり)と問題を後回しにする。

④全体最適を優先する
【原理原則】組織は部分ではなく全体で成果を出す。
【ふさわしい行為】部門間で連携し、全社の利益を考えて行動する。
【ふさわしくない行為】自部門の都合を優先し、全体の足を引っ張る。

  等々

これらの原理原則に沿った運営は、シンプルで論理的です。
社員全員が納得しやすく、誰もが迷わず行動できます。
逆に、これに反した組織は、ムダなルールや属人的な解釈が増え、現場に「なぜそうするのか」が伝わらず、
不満と疑問だけが蓄積されます。
結果、思考停止と無駄な仕事が蔓延し、生産性は下がり続けます。

■原理原則にかなった組織は、シンプルで美しい

原理原則を守ることは、「美しい組織」をつくることでもあります。
美しさとは、シンプルでムダがなく、誰もが納得できる状態です。
組織のルールも、業務の流れも、「なぜそれが必要なのか」を説明できる明確な理由があるはずです。
そしてその理由は、組織の目的や顧客へ提供すべき価値と直結しています。

管理職の役割は、この「原理原則」を正しく理解し、部下に示すことです。
自分の判断軸が原理原則に基づいていれば、部下の指導も一貫性を持ち、職場全体の迷いも減ります。
生産性の高い組織は、偶然には生まれません
プロ野球の監督であった故野村克也氏が勝敗の妙を例える言葉として使った
勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」がありますが、意図するところは同じではないかと思います。

原理原則に合せた運営を意識し浸透させる」こと。
これこそが、管理職が果たす重要な役割です。

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