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会社内で必要なコミュニケーションとは何か

シリーズ第3回 「公式な場所で会話すること」

組織運営において、コミュニケーションの質は会社の成果に直結します。
その中でも、特に重要なのが「どこで、どのように、何を決めるか」という意思決定プロセスです。
近年、オープンな経営が求められる一方で、実際の意思決定が「公式な場」ではなく「非公式な場」で行われる
ケースが少なくありません。
たとえば、喫煙ルーム、昼食時の雑談、あるいはごく一部のメンバーだけで行われるインフォーマルな打ち合わせ。
本来、正式な会議の場で議論・承認されるべき内容が、こうした場で決まってしまうことが、
組織に大きな弊害をもたらします。

非公式な場で物事が決まるデメリット

①意思決定の透明性が失われる
 公式な会議では、参加者全員が発言でき、議事録も残ります。
 しかし、非公式な場では、発言者が限られ、記録も残されません。
 その結果、「なぜこの方針に決まったのか」「誰が決めたのか」が不明瞭になり、
 社員の納得感を得ることができません

②一部の社員による専横が生まれる
 限られたメンバーの間だけで物事を決めるようになると、特定の社員や役職者の影響力が
 過度に強くなりがちです。
 それが続くと「一部の人たちだけで決めている」という不公平感が生まれ、組織全体のモチベーション低下を招きます。
 声の大きい人、上司に近い人ばかりが意見を通すような環境では、健全な議論や改善提案は生まれません。

③組織のパフォーマンスが低下する
 非公式な決定プロセスが常態化すると、公式な場の存在意義が薄れます。
 社員は「どうせ裏で決まっている」と感じ、会議や提案に真剣に取り組まなくなります。
 これは、組織としての思考力や対応力の低下を引き起こし、生産性向上の大きな足かせとなります。

公式な場所で会話・決定を徹底する

こうした問題を防ぐためには、次のようなルール作りと運営改善が必要です。

①重要事項は必ず公式会議で決定する
 営業施策の方向性、人事方針、社内規則の変更など、組織に関わる重要事項は必ず公式な会議体で議論し、
 決議するルールを明文化しましょう。
 たとえ、事前に意見交換がインフォーマルな場であったとしても、最終決定は正式な会議で承認を得るべきです。

②議事録を必ず作成・共有する
 公式な会議では議事録を作成し、参加者だけでなく関係者全員に共有します。
 「どのような議論があり、なぜこの結論に至ったか」が明示されることで、透明性が確保され、社員の納得感も向上します。

③非公式な場での決定を禁止する社内文化を育てる
 「喫煙ルームで決まった話」「飲み会で出た話」などをそのまま方針に反映させることを戒める文化を、
 経営陣自らが率先して作りましょう。
 雑談の中でアイデアが生まれるのは良いことですが、それを正式な議論を経ずに実行に移すことは避けましょう。

④すべての社員が意見を言える場を保証する
 公式な会議体には、可能な限り多様なメンバーを参加させます。
 ポジションに関係なく意見を出し合える雰囲気づくりも、健全な意思決定には欠かせません。

インフォーマルな組織運営に流されることなく、あくまで公式なルールに則った意思決定を!
 これが、社員一人ひとりのモチベーションを高め、組織パフォーマンスを最大化するための確かな道です。

まとめ
組織に必要なのは、「オープンでフェアなコミュニケーション」です。
重要事項を公式な場所で話し合い、全員が納得できるプロセスを経て決定する。
この基本を徹底することで、組織内に無用な不信感や不満が生まれるのを防ぎ、健全な成長を支える土台となります。

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