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シリーズ8回目 「仕事は横に流れる」
会社という組織の中で、ある程度の規模のプロジェクトを動かすとき、あるいは新しい仕組みを導入するとき、
「自分の部門だけで完結する仕事」はほとんど存在しません。
営業が契約を取ってくれば、製造やサービス部門が動き、経理や総務がサポートし、最終的に会社全体の成果となります。
つまり、仕事は常に横に流れるものなのです。
しかし現実には、「うちの部署の仕事はここまで」と線を引いてしまい、他部門との連携を軽視する傾向が見られます。
特に、自部門中心の発想で企画や改善案を作成すると、他部署に無理が生じたり、ボトルネックが発生したりして、
最終的にはプロジェクト全体がうまく進まなくなるケースが多々あります。
自部門最適化が陥る罠
たとえば、営業部が「納期を短縮して顧客満足度を上げよう」という提案を出したとします。
一見素晴らしいアイデアに思えますが、製造部門の生産キャパシティや購買部門の仕入れリードタイムを
考慮していなければ、現場は混乱し、品質トラブルが発生するリスクすらあります。
自部門の最適化が、必ずしも会社全体の最適化につながるとは限らないということです。
したがって、管理職の役割は、部下の提案や計画をそのまま評価することではなく、
「それは他部門にどう影響するか?」
「全体の流れの中でどの位置にあるのか?」
という視点から、もう一段上のアドバイスを行うことにあります。
これがまさに“俯瞰力”であり、管理職に求められる重要なスキルの一つです。
管理職の腕の見せどころ
入社歴の浅い社員ほど、自分の部門のことにしか目がいきません。
それは当然のことですが、そのまま放置してしまうと、「他部門は自分たちとは関係がない」という
誤った意識が根付いてしまいます。
そんなときにこそ管理職が「社内を巻き込んで成果を出すコツ」を伝えることが重要です。
企画や提案の良しあしだけでなく、“社内の理解と協力を得る力”こそが、プロジェクト成功の鍵なのです。
まとめ
組織の中で仕事は常に横に流れ、すべての部門がどこかでつながっています。
その流れを理解し、社内全体のバランスを取りながら進めることができる社員を育てること。
それが、管理職の真の力量であり、結果として会社全体の生産性を飛躍的に高めることにつながります。