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シリーズ第5回 「粗利益の増加が行動基準」
生産性の高い組織には、その競争力を支える管理職の視点が不可欠です。
今回は「粗利益の増加を行動基準にする」というテーマを選んでみました。
【「粗利益」とは何か】
会社が存続するための「利益」の源は、粗利益です。
粗利益は「売上 – 原価」であり、これを最大化するためには
1.原価を下げる
2.売上を上げる
の2つしか手立てがありません。
今回は、「原価を下げる」ことに絞って管理職が考えるべき行動基準についてまとめてみました。
【原価を下げるとは?】
よくありがちなのは、仕入元に値引を無理強いしたり、製造原価である人件費を削減して
「粗利益を増やした気になる」ケースです。
これは、優越的な地位を濫用した強引な方法になりがちで、やってはいけない方法です。
この方法は本質的な解決にはならず、もし効果が出ても一時的に過ぎません。
むしろ仕入元との信頼を失い、供給体制が不安定になったり、製造時の質が下がり不良品の発生率が上がる
ことなどで商品の魅力が失われ、売上自体が落ちる原因にもなります。
【原価を下げる別の視点】
大切なのは「原価を下げる」こと自体ではなく、そのための「仕組みを変える」ことに挙げられます。
たとえば、内製化や作業効率を向上させることで工数を削減したり、最新のシステムに入れ換えることで
製造過程をシンプル化しコストダウンを実現するなどです。
「仕組みを変える」ことは、「原価率を下げる」ことに直結します。
粗利益高を上げることは、実は「粗利益率」を上げることにつながります。
管理職は製造部門、営業部門、管理部門すべてが全社共通のテーマとして取り組むことが会社成長と存続の条件です。
管理職が、仕入れ元の値引き交渉を重要な仕事だと勘違いをして、部下にノルマを与え厳しく管理するという
ことのみに終始している会社は非常に多いです。
この方法は安易で、すぐに結果が現れ、何よりも「仕事をしている錯覚」に陥るからです。
【コスト削減の間違いの実例】
ある工業系企業では、コストの見直しとして仕入元への働きかけを過剰に行い、不満の声が多数上がりました。
その結果、商品の質が落ち、お客さまが離れ、結果として粗利益がさらに減少しました。
【製造の仕組みを変え効率化した実例】
別の企業では、内製化への転換によって作業工数を大幅に削減し、その上で商品の仕様を切り替え、新たなサービスメニューを設け、売上増に繋げました。
まとめ
粗利益を増やすことを行動基準にするというのは、管理職の基本中の基本です。
しかし、そのためには誰でもできる安易な方法ではなく、「仕組みの変革」や「商品魅力の向上」など「生みの部分」への指向性が必要です。
強い組織は、その種を絶えず探しています!