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シリーズ第6回 「労働時間管理は、新入社員に見られている」
多くの社長の中で、「うちは労働時間を適切に管理している」と胸を張って言える人は、
実はそれほど多くありません。
しかし、だからこそ――新入社員は、入社前も入社後も「労働時間の管理がきちんとされているか」を
非常に敏感に見ているのです。
長時間労働が社会問題になって久しい現代において、「月80時間残業してもみんなやってるから大丈夫」、
「昔からの慣習だから」といった発想では、若手人材からの評価は得られません。
今回は、新入社員が「会社を見る目」として重視する労働時間管理について、
3つの視点で見直してみましょう。
【1. 始業前・終業後の業務が“当たり前”になっていませんか?】
このようなケース、すべて「労働時間」に該当する可能性があります。
「朝礼は就業前だから」「片付けは自主的にやってるから」では済みません。
慣れてしまった古参社員は疑問を抱かないかもしれませんが、新入社員からすれば「これはおかしい」と
強く感じる要素です。
【2. 休憩時間、きちんと“休憩”になっていますか?】
労働基準法では、「休憩時間は業務から完全に離れて自由に過ごせること」が条件です。
つまり、上記のような状況は「休憩時間」とは認められず、勤務時間として賃金が発生する可能性があります。
【3. 残業代の支払い、適正にできていますか?】
労働基準法では、残業時間は「1分単位」でカウントし、適正に支払うことが義務付けられています。
また、「名ばかり管理職」の問題は過去にも多くの企業が訴訟に発展しており、最悪の場合、
過去3年分の残業代を遡って請求されるリスクがあります。
【新入社員は“会社の常識”と“世間の常識”のギャップを見抜いています】
長年勤めている社員は、「昔からのことだから」「みんなやってるから」と違和感を抱かなくなってしまうかもしれません。
しかし新入社員は違います。
社会や法律に沿った感覚で会社を見ています。
不適切な労働時間管理を目の当たりにした瞬間、「この会社で働くのは難しいかもしれない」と不信感を持ちます。
その結果、内定辞退や早期退職につながりかねません。
【まとめ】
労働時間の管理は、就業規則の「絶対記載事項」であり、法令上も最重要の管理項目です。
採用活動における信頼確保、そして働きやすい職場づくりの基本は、日々の労働時間の管理から。
「明文化されたルールが存在し、それが実行されている会社」こそが、求職者に選ばれる会社なのです。