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求職者に選んでもらえる会社になる

シリーズ第6回 「労働時間管理は、新入社員に見られている」

多くの社長の中で、「うちは労働時間を適切に管理している」と胸を張って言える人は、
実はそれほど多くありません。
しかし、だからこそ――新入社員は、入社前も入社後も「労働時間の管理がきちんとされているか」を
非常に敏感に見ているのです。
長時間労働が社会問題になって久しい現代において、「月80時間残業してもみんなやってるから大丈夫」、
「昔からの慣習だから」といった発想では、若手人材からの評価は得られません。

今回は、新入社員が「会社を見る目」として重視する労働時間管理について、
3つの視点で見直してみましょう。

【1. 始業前・終業後の業務が“当たり前”になっていませんか?】

  • 始業時間は9時だが、朝礼は8時45分から全員参加で行っている。
  • 職服に着替えるために8時半には出社している。
  • 終業後、使用した機材の洗浄や片付けに30分以上かかっている。

このようなケース、すべて「労働時間」に該当する可能性があります。

「朝礼は就業前だから」「片付けは自主的にやってるから」では済みません。
慣れてしまった古参社員は疑問を抱かないかもしれませんが、新入社員からすれば「これはおかしい」と
強く感じる要素です。

【2. 休憩時間、きちんと“休憩”になっていますか?】

  • 昼休みに交代で電話番をしている。
  • 昼食を取りながら毎日ミーティングを行っている。

労働基準法では、「休憩時間は業務から完全に離れて自由に過ごせること」が条件です。

つまり、上記のような状況は「休憩時間」とは認められず、勤務時間として賃金が発生する可能性があります。

【3. 残業代の支払い、適正にできていますか?】

  • 毎日の残業時間を15分単位や30分単位で切り捨てていないか。
  • 管理職という名目で、実際は管理監督者に該当しない社員に残業代を支払っていないことはないか(名ばかり管理職)

労働基準法では、残業時間は「1分単位」でカウントし、適正に支払うことが義務付けられています。
また、「名ばかり管理職」の問題は過去にも多くの企業が訴訟に発展しており、最悪の場合、
過去3年分の残業代を遡って請求されるリスクがあります。

【新入社員は“会社の常識”と“世間の常識”のギャップを見抜いています】

長年勤めている社員は、「昔からのことだから」「みんなやってるから」と違和感を抱かなくなってしまうかもしれません。

しかし新入社員は違います。
社会や法律に沿った感覚で会社を見ています。
不適切な労働時間管理を目の当たりにした瞬間、「この会社で働くのは難しいかもしれない」と不信感を持ちます。
その結果、内定辞退や早期退職につながりかねません。

【まとめ】

労働時間の管理は、就業規則の「絶対記載事項」であり、法令上も最重要の管理項目です。
採用活動における信頼確保、そして働きやすい職場づくりの基本は、日々の労働時間の管理から

「明文化されたルールが存在し、それが実行されている会社」こそが、求職者に選ばれる会社なのです。

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