
お電話でのお問い合わせ080-3007-4864
シリーズ第6回 「管理職は業務の本質を熟知していること」
中小企業において、生産性向上のカギを握るのは、間違いなく「管理職の力量」です。
どんなに現場の社員が頑張っていても、管理職の方針がブレていたり、仕事の本質を理解していなければ、
チーム全体の方向性は定まらず、成果は出ません。
では、「管理職の力量」とは何を指すのでしょうか。単なる指示・命令の能力ではありません。
特に重要なのは、「業務の本質をどれだけ深く理解しているか」です。
■ 業務の“全体像”を理解せずして、指揮はできない
管理職だからといって、すべての作業に細かく口を出す必要はありません。
しかし、自分の部門が会社全体の中でどのような役割を果たしているのか、どのような機能が期待されているのか
――この点は、しっかりと把握しておかなければなりません。
例えば、製造部門であれば「効率的かつ安定した品質での製品供給」がミッションですし、営業部門であれば
「市場ニーズに応える提案と契約の獲得」が求められるでしょう。それぞれの部門に固有の役割がある以上、
「うちの部門は何のために存在するのか」という問いに、管理職自身が答えられることが第一歩です。
■ 目的・目標と、それを実現する「方法論」
管理職は、部門の目的や目標を掲げるだけでは不十分です。それらをどうやって実現していくのか、
「方法論」について具体的なプランを持っている必要があります。
そして、そのプランは、状況の変化や現場の意見を踏まえて、常に見直しと改善を繰り返すべきものです。
目標達成のための「仮説」と「実行計画」を持ち、結果を検証しながら軌道修正していく。
この姿勢が、信頼される管理職の基本です。
■ 鳥の目と蟻の目の両方が必要
管理職には、「鳥の目(俯瞰)」と「蟻の目(現場)」の両方が求められます。
鳥の目とは、組織全体や仕事の流れを高い視点から把握し、全体のバランスや優先順位を判断する力です。
これがなければ、自部門が本来の目的から逸れていても気づけません。
一方、改善や改革を行う際には、現場レベルの細かいプロセスまで理解していることが必要です。
つまり、「蟻の目」を持って、現実に即した対応を取ることが欠かせないのです。
■ 新任管理職は「現場を学ぶ」ことから始めよう
とりわけ、人事異動などで新しい部署に着任したばかりの管理職には、「現場知識を自ら学ぶ姿勢」が重要です。
現場を知らないままでは、どんな施策も具体性に欠け、的外れになりがちです。
新任の管理職は、まずはその職場で働くキーマンから業務内容や課題をヒアリングするなど、
現場の空気と課題を肌で感じる努力が必要です。
■ 管理職の姿勢が、生産性に直結する
どれだけ立派な制度をつくっても、現場で使われなければ意味がありません。
逆に、現場に根ざした考えを持った管理職がいれば、どんな制度も形にできます。
「業務の本質を理解し、自分の言葉で語れる管理職」がいる会社は、生産性が自然と高くなります。
管理職の皆さん、自分の部門の役割を語れますか? その役割を果たすための具体的な手立てを持っていますか?
いま一度、自分の視座を確認し、「強いチーム」をつくるリーダーシップを発揮していきましょう。