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シリーズ10回目 「労働時間短縮を実現する業務改善のステップ」
「労働時間を短くしたい」「残業を減らしたい」
多くの企業がそう考え、働き方改革や業務改善に取り組んでいます。
しかし現場を見ていると、“急ぎすぎた業務改善”が、かえって労働基準法違反や労使トラブルの火種になっている
ケースも少なくありません。
労働時間短縮は、単なる効率化競争ではありません。
労働基準法を正しく理解し、守りながら進めてこそ、持続可能な改革になります。
1.労働時間短縮につながる業務改善の基本ステップ
まずは、業務改善の王道ともいえるステップを整理します。
① 本当に意味のある業務かを忖度なく検討する(やめる)
「昔からやっている」「念のため」という理由だけで続いている業務は意外に多いものです。
成果につながらない業務は、思い切って廃止することも重要です。
② 部署間で重複している業務を統合する
同じ資料作成、同じチェック作業を複数部署で行っていないでしょうか。
役割を整理し、一本化するだけで労働時間は大きく変わります。
③ 業務プロセスを見直す・組み替える
「この順番でなければならない」という思い込みを疑い、より合理的な流れに変更します。
④ 手順を可能な限り簡素化・単純化する
複雑な業務ほどミスが増え、手戻りが発生します。単純化こそ、ミス削減と時間短縮の近道です。
⑤ コア業務以外はアウトソーシングも検討する
自社に競争力がない業務まで内製化していないかを見極め、外部活用も選択肢に入れます。
2.業務改善で「労働基準法に抵触しやすい」注意点
ここからが重要です。
上記の業務改善ステップは正しい一方で、進め方を誤ると法令違反につながるリスクがあります。
① 業務廃止=不当解雇にならないよう注意
業務をやめた結果、余剰人員が出たからといって安易に解雇することはできません。
原則は、業務を組み替えた上での配置転換や再教育です。
② 効率化のしわ寄せが一部社員に集中しないか
「できる人」に仕事が集中し、長時間労働や有給休暇の未取得が常態化するケースは非常に多いです。
これは結果として、時間外労働の上限規制違反につながるおそれがあります。
③ 担当変更による待遇悪化は「不利益変更」に注意
業務廃止に伴い、賃金や評価が下がる場合、不利益変更と判断される可能性があります。
本人の同意や合理性の説明なしに進めることは危険です。
3.業務改善は「法令遵守」があってこそ成功する
労働時間短縮のための業務改善は、
労働基準法を守ってこそ、従業員の納得と協力を得られます。
法令を無視した効率化は、一時的に数字が改善しても、
・従業員の働く意欲の低下
・会社への不信感
・離職やトラブルの増加
という形で、必ず跳ね返ってきます。
業務改善は「人を切るため」ではなく、
人が安心して働き、生産性を高めるための仕組みづくりです。
最終回となる今回のテーマでお伝えしたいのは、
「業務改善は、労働基準法を正しく理解し、守りながら進めることが成功の条件である」
という一点です。