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シリーズ第7回 「育児期社員のキャリア継続支援策」
育児と仕事の両立について考えるとき、多くの企業でまだ根強く残っているのが、
「育児期はキャリアが止まるもの」
「第一線から一時的に離れるのは仕方がない」
という考え方です。
しかし現在は、人材不足が深刻化し、優秀な人材の定着が経営課題となる時代です。
その中で、育児を理由にキャリア形成が中断されることは、本人にとっても会社にとっても大きな損失になります。
育児期社員が活躍できる会社には共通点があります。
それは、「育児=離脱期間」と考えていないことです。
① 「育児でキャリア中断」は思い込みかもしれない
確かに、育児期には働き方に制約が生まれます。
急な発熱、保育園対応、時間制約など、以前と同じ働き方が難しくなる場面は少なくありません。
しかし、それは必ずしも 「キャリアを諦める」ことを意味するわけではありません。
問題は、本人も会社も、「育児期は仕方ない」、「重要な仕事は任せられない」と無意識に決めつけてしまうことです。
この思い込みが、本人の成長機会を奪い、結果的に離職にもつながります。
② キャリアを中断しない具体的方法
では、どうすれば育児期でもキャリアを継続できるのでしょうか。
重要なのは、 「働ける時間が短い=価値が低い」と考えないことです。
例えば、
✔ 業務の優先順位を整理する
✔ 会議時間を短縮する
✔ テレワークを活用する
✔ 情報共有を効率化する
✔ 成果基準を見直す
こうした工夫によって、限られた時間でも十分に成果を出せる環境は作れます。
また、
✔ 引継ぎ体制
✔ マニュアル整備
✔ チームで支える仕組み
を整えることで、育児中社員だけでなく、組織全体の生産性向上にもつながります。
③ 「育休対応」を会社の危機管理訓練と考える
ここで、ぜひ中小企業の経営者や管理職社員の方に持っていただきたい視点があります。
それは、 育児休業取得者が出ることを「負担」ではなく、「組織強化のチャンス」と考えることです。
実は、企業にとって本当に怖いのは、
✔ 主力社員の突然の退職
✔ 病気による長期離脱
✔ 家族介護による急な休職
✔ 災害や事故による出勤不能
など、“予測できない人材リスク”です。
育児休業は、事前に分かっているケースが多く、
✔ 業務整理
✔ 引継ぎ
✔ マニュアル化
✔ 複数担当制
などを事前に準備できます。つまり、 「組織が特定個人に依存していないか」を点検する、非常に貴重な機会なのです。
この経験を積んだ会社は、 2枚腰、3枚腰の組織体制を持つ、“人的リスクに強い会社”へ変化していくことができます。
④ 女性社員のキャリア維持に必要な視点
特に女性社員については、出産・育児をきっかけにキャリア形成が停滞しやすい現実があります。
ここで重要なのは、 「会社」、「本人」、「周囲」、それぞれの意識転換です。
■会社側に必要なこと
会社側には、
✔ 長期視点で人材育成を考える
✔ 時短勤務=戦力外と考えない
✔ 育児中でも挑戦機会を与える
姿勢が求められます。短期的な効率だけを重視すると、結果的に優秀人材を失うことになります。
■本人に必要なこと
本人側も、
✔ 「今は無理」と決めつけない
✔ 限られた時間で成果を出す訓練期間と捉える意識
✔ キャリアを継続する意欲
を持つことが重要です。
育児期は確かに大変ですが、その経験はマネジメント力や段取り力にもつながります。
■周囲の社員に必要なこと
周囲の理解も欠かせません。育児中社員だけを特別扱いするのではなく、
「チームで運営する仕事の仕方」を作ることが重要です。
また逆に、育児中社員も周囲への感謝や情報共有を意識することで、良好な関係が築きやすくなります。
⑤ 育休経験をビジネスに活かす視点
育児経験は、単なるブランクではありません。
実際には、
✔ 時間管理能力
✔ 優先順位判断
✔ マルチタスク対応
✔ コミュニケーション能力
など、多くの力が鍛えられます。
また、子育てを経験することで、
👉 消費者視点
👉 共感力
👉 多様な価値観への理解
も深まります。
これは現代のビジネスにおいて大きな強みです。
つまり、 「育休=キャリア停止」ではなく、 「新しい経験を積む期間」と捉える視点が重要なのです。
まとめ:キャリア継続支援は企業の競争力になる
育児期社員を支援することは、単なる福利厚生ではありません。
✔ 優秀人材の定着
✔ 女性活躍推進
✔ 多様な働き方への対応
✔ 採用力向上
✔ リスクに強い組織づくり
など、企業競争力そのものに直結します。
育児・介護休業法への対応はもちろん必要ですが、
本当に重要なのは、 「制度を通じてどう人材を活かすか」という視点です。
育児期社員のキャリア継続支援とは、 「働き続けたいを実現できる会社づくり」であり、
「突然の人材リスクにも耐えられる組織づくり」そのものでもあるのですね。