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【トラブルを未然に防ぐ労務管理】

シリーズ第15回「求職者へのセクシュアルハラスメント防止対策」

採用面接や会社説明会、インターンシップなどで、求職者に対して不適切な言動をしていませんか?
2026年10月1日から、求職者等に対するセクシュアルハラスメントを防止するための措置が、事業主の義務となりました。
今回の改正で特に注目したいのは、
自社の従業員をハラスメントから守るだけでなく、これから自社で働くかもしれない求職者を守ることも、
会社に求められるようになったという点です。

■1.求職者へのセクハラも会社の防止対策が義務に!

今回の改正は、いわゆる「カスハラ防止法」と呼ばれることもある、2025年の法改正に関連するものです。
ただし、求職者等へのセクシュアルハラスメント対策は、改正された男女雇用機会均等法に基づく制度です。

対象となるのは、採用面接を受ける人だけではありません。
・就職説明会への参加者
・インターンシップの参加者
・教育実習や看護実習などを受ける人
・企業の従業員を訪問するOB・OG訪問の相手

なども含まれます。また、オンラインでのやり取りも対象となり得ます。

例えば、面接官が求職者に性的な質問をしたり、インターンシップ中に私的な食事へしつこく誘ったりすることで、
求職活動への意欲が損なわれるようなケースが考えられます。
「まだ社員ではないから、会社のハラスメント対策とは関係ない」という考え方は、もう通用しません。

■2.採用担当者に任せきりにしていませんか?

中小企業では、採用担当者が面接から会社説明、応募者との連絡まで、一人で対応していることも少なくありません。
しかし、採用活動を担当者個人の判断に任せきりにすることには注意が必要です。

例えば、次のような点はどうでしょうか。
・面接で質問してよいこと、避けるべきことが共有されているか
・面接の場所や実施体制が適切に決められているか
・応募者との個人的なSNSでのやり取りについてルールがあるか
・求職者が困ったときに相談できる窓口があるか

本人に悪意がなくても、相手に不快感や苦痛を与え、求職活動を妨げてしまうことがあります。
「担当者の常識に任せる」のではなく、会社として共通のルールを決めておくことが大切です。

■3.会社全体の姿勢として、社内外に示す

今回の改正では、事業主に対して、主に次のような措置が求められています。
① 会社の方針を明確にする
 求職者等に対するセクシュアルハラスメントを許さないこと、行為者には厳正に対処することを明確にし、
 従業員に周知・啓発する。

② 採用活動のルールを整える
 面接の時間や場所、実施体制、応募者との連絡方法などを決め、担当者と求職者の双方に周知する。

③ 相談できる体制を整える
 求職者等からの相談に適切に対応できる窓口を設け、相談があった場合には事実関係を確認し、必要な対応や再発防止につなげる。

④ プライバシーを守り、不利益な扱いを防ぐ
 相談者等のプライバシーに配慮し、相談したことなどを理由に不利益な扱いをしないことを周知する。

そして、忘れてはいけないのが、会社の姿勢を社外にも示すことです。
採用ページや会社説明会の資料などで、ハラスメントを許さない方針や相談窓口を明らかにしておけば、求職者にとっても安心して
応募・参加できる環境づくりにつながります。

■4.採用活動も会社の労務管理の一部です

求職者は、面接や会社説明会を通じて、仕事内容や待遇だけでなく、会社の雰囲気や社員への接し方も見ています。
採用担当者の言動一つで、会社への信頼が高まることもあれば、反対に応募をためらうこともあります。

今回の改正を、単に法律上の義務として捉えるのではなく、採用活動の進め方を見直す機会にしてはいかがでしょうか。

求職者も、これから一緒に働くかもしれない大切な存在です。

採用担当者任せにせず、会社全体でルールを整え、社内外に「ハラスメントを許さない」という姿勢を示すこと。
それが、トラブルの予防だけでなく、安心して応募できる会社づくりにもつながります。

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