ブログ

新入社員が定着する絶対条件

シリーズ第4回 「全部門の業務を教える」

新入社員の配属先が決まり、「いよいよ本格的に業務をスタート」という時期かと思います。
今回は、“業務の習得”を始めるこのタイミングだからこそお伝えしたい、「全部門の業務を教える」というテーマで
お話しします。

自部門だけでは“本当の理解”に至らない

新入社員の配属先が営業部でも、製造部でも、総務・経理等のスタッフ部門であっても、
「その部門の仕事だけを教える」ことは非常に危険です。
なぜなら、自分の仕事が、会社全体の中でどんな意味を持つのかを理解しないまま業務に取り組むことになるからです。

これは、誤った「自己完結型の思考」を育てる温床になります。

「組織で動く」ことの本質を早い時期に理解させる

仕事は決して一人では完結しません。必ずどこかで他部門と接点があり、連携が発生します。
この「横の流れ」を理解せずに育った社員は、次第にこうなっていきます。

  • 他部門への理解がない
  • 他部門に対する不満や文句が多くなる
  • 連携せずに自分の都合で動き始める
  • 組織の中で孤立する(もしくは問題社員化する)

こうした悪循環を防ぐには、早期の段階で「全社を知る」ことが何より重要です。

他部門を知ることが“視野”を育て、「自律」を育む

新入社員には、たとえ配属部門が決まっていても、できる限り早いタイミングで以下のような学びの機会を与えてください。

  • 全部門の役割と業務の流れを説明する
  • 各部門の業務を半日〜1日単位で体験させる
  • 他部門との接点や依存関係を実感させる
  • 社内全体の仕事の流れを「体で覚える」

これにより、新入社員は次のような感覚を得ます。

  • 自分の仕事が誰かにどうつながっているか
  • 他部門がどう支えてくれているか
  • 自分の行動がどんな影響を及ぼすか
  • 会社全体の動きの中で自分の立ち位置はどこか

こうした視点を持てる社員は、育て方次第で確実に「会社の中核」になっていきます。

有能な人材は「組織」で動ける

「価値ある仕事」とは、個人で完結するものではありません。他部門を巻き込んで成し遂げてこそ、価値のある仕事です。

その認識を持てる社員は、常に全体を見ながら自分の役割を考え、責任を持って行動します。
このような社員を育てるには、「部門を越えた視点」が最初から必要なのです。

まとめ

部門をまたいで仕事をするには、「相手部門への理解と敬意」が欠かせません。
その基礎を新入社員のうちから身につけておくことで、相互の信頼関係が築け社内の人間関係にも良い影響をもたらします。

「自部門だけ」で考えがちだった社員が、いつしか「会社全体を背負う」人材になる。

配属直後の「会社全体を知る」教育こそが、大きな成長の礎なのです。

PAGE TOP