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シリーズ第4回 「プロジェクトリーダーに任命しよう」
「若手がなかなか育たない」「やる気が見えない」――
そんな声を、現場の管理職や経営者の方からよく耳にします。
でも実は、“やる気がない”のではなく、“やる理由が見つからない”だけかもしれません。
社員一人ひとりが、仕事に熱意と誇りを持って取り組める状態、いわゆるワーク・エンゲイジメントを高めることは、
退職防止にも直結します。
今回は、その具体策として「プロジェクトリーダーに任命すること」の効果についてお伝えします。
■ 少し頑張れば成功できる課題で「達成感」を
社員が成長する瞬間には、必ず“成功体験”があります。
そしてその成功体験は、「いきなり高い壁を越えた」ときではなく、
「少し頑張れば届く」という絶妙なハードルを乗り越えたときに得られるものです。
若手社員や新入社員にこそ、この体験を積ませるべきです。
たとえば――
本業のど真ん中ではなくても構いません。
「会社の役に立っている」「自分が中心で動いている」という実感こそ、本人の自信と意欲を育てるキッカケになります。
■ 「非管理職こそ、リーダーの体験を」
一般的に、非管理職社員は、指示された業務を淡々とこなすことが中心です。
この状態が長く続くと、「指示待ち型」の意識が固定され、自ら動こうとする姿勢が育ちません。
だからこそ、あえて若いうちに“リーダー役”を体験させることが大切です。
それが将来のリーダー候補としての意識づけにもつながります。
もちろん、“リーダー”といっても正式な役職ではなく構いません。
「このテーマを、君が中心になってまとめてほしい」と明確に任せることが重要なのです。
■ 経験させたい「5つの流れ」
プロジェクトリーダー経験の中で、社員に体験させたいのは次のような流れです。
この一連のプロセスには、「自ら考える力」「人を巻き込む力」「成果をまとめる力」が必要です。
実際にやってみると難しさもありますが、だからこそ「やり遂げた」という達成感と責任感が生まれ、経験値が上がります。
■ “自らの意思で動く”からこそ、意欲は高まる
多くの社員は、「上司の指示どおりにやっている」段階では、仕事を“こなしている”に過ぎません。
「自分の考えや工夫が反映された」という感覚がないと、仕事への主体性は生まれず、結果的にエンゲイジメントも上がらないのです。
逆に、自ら意思決定に関わり、考えを反映し、行動し、結果を出す。
この経験を重ねた社員は、自分の仕事に責任と誇りと自信を持つようになります。
■ まとめ
人は、自分の可能性を信じて任せてくれた相手に応えようとします。
小さなプロジェクトでもいい。業務のど真ん中でなくてもいい。
「このテーマ、君に任せてみたい」と伝えることは、信頼のメッセージです。
社員が「期待されている」と感じたとき、
そこに“やりがい”が生まれ、“成長”が始まり、そして“会社への帰属意識”が強まります。
車の運転と同じです。
助手席に座っているだけで、自分で運転しなければ毎日通っている道でさえ、いつまでたっても覚えることはありません!