ブログ

会社内で必要なコミュニケーションとは何か

シリーズ第4回 「誰が、ではなく何が正しいか」

会議や社内議論の場で、「それ、◯◯部長が言ってたから」といった言葉が、無意識に物事の判断基準になっている。
そんな空気に、心当たりはありませんか?

組織の中では、役職の高い人や発言力のある人の意見が、内容の正しさとは別に採用されてしまうことがあります。
しかしその瞬間から、会議は“議論の場”ではなくなり、“追認の場”に変わってしまいます。

会議の本来の目的を見失っていないか

本来、会議の目的は「よりよい判断をすること」。
それには、立場や肩書きではなく「内容の正しさ」を基準にする必要があります。

しかし現実は、こうした建前が形骸化してしまい、
・上司の機嫌を損ねないように
“空気”を読んで賛成する
・反論したら後で面倒なことになるかもしれない
――という忖度が優先されてしまう場面が多く見られます。

「そういうもんだよ」「波風立ててもしょうがない」と流され続けるうちに、社員は考えることをやめ、
「正しいかどうか」ではなく「怒られないかどうか」で発言するようになっていきます。

忖度が常態化すると、会社は静かに腐っていく

このような風潮が続くと、社内にはある種の“よどみ”が生まれます。
誰も意見を言わず、誰も責任を取らない――そんな組織ができあがってしまうのです。

本来、組織は「異なる立場・視点を持つ人材」が集まり、そこから最良の答えを導き出すことで成長していくものです。
だからこそ、新人を入社させ常に新しい人材を投入しているのです。
しかし「誰が言ったか」で物事が決まる文化の中では、意見の多様性は排除され、
結果として“思考停止の集団”が出来上がります。

判断基準は「誰が」ではなく「何が」

健全な組織運営において、最も大切なことは、発言者の肩書きや経歴ではなく、
その意見が「目的に照らして正しいかどうか」です。

役職に関係なく、正しいことを堂々と伝えられる雰囲気
意見の出どころではなく、内容の合理性・整合性で判断される会議。
これが、真に「価値を生む会議」であり、会社の未来をつくる場です。

そしてそれは、特別なスキルではなく、「姿勢」と「文化づくり」で実現できます。

それぞれの違いが、結論を強くする

社歴も役職も経験も異なる社員たちが、
「自分の立場から見えること」「自分が感じた違和感」を持ち寄ること。
それが、組織にとって最大の財産になります。

会議とは、意見を出し合い、ぶつけ合い、最後には一つの方向性にまとめていく過程です。
そこには当然、立場の違いも、視点のギャップもあります。
それでも、全員が「目的を共有している」のであれば、違いは混乱ではなく、“新しいことを生み出す原動力”になります。

「空気を読む」ではなく、「思考を動かす」組織へ

会議やコミュニケーションの質は、会社の健全性を映すバロメーターです。
「誰が言ったか」ではなく、「何が正しいか」を基準に置く。その当たり前を徹底することが、
社員一人ひとりに「考える責任」を促し、結果として組織全体の判断力と行動力を底上げしていきます。

最終的に意思決定を下すのは上位の管理職もしくは経営者かもしれません。
しかし、その結論の土台となる“議論の質”が高くなければ、いずれ組織は方向を誤ります。

まとめ:会議は、「誰かの意見を通す場」ではない

会議は、「正しい答えを見つける場」であり、
コミュニケーションは「立場を超えて、目的に向かってつながる手段」です。

組織の中で
「誰の意見か」ではなく、「何が目的に合っているか」。
その価値観を中心に置き続けること。
「風通しのよい会社」と呼ばれる会社は、これが実践されているのでしょう!

PAGE TOP