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シリーズ第2回 「規程を整える前に「社内ルールの棚卸し」を!」
就業規則を整備したい、見直したいというご相談を受けたとき、規程に盛り込む内容のヒアリングを行いますが、
その際、細かい項目も当然大切ですが、「社長が大事にしていること」を出来るだけ盛り込めるようにします。
就業規則は単なる法定文書ではありません。
それは、会社にとっての“憲法”です。
そしてここでいう「就業規則」とは、本則だけを指すのではありません。
正社員就業規則、パート・アルバイト就業規則、賃金規程、賞与規程、退職金規程、育児・介護休業規程、
人事評価規程など、これらを含めた一つのルール体系全体が、会社の憲法を構成しています。
まずは「会社として何を優先するのか」を整理する
会社によって重視する価値は異なります。
成果重視なのか。
安定雇用を優先するのか。
挑戦を奨励する文化なのか。
長期的な人材育成を重視するのか。
これが整理されていないまま条文を作っても、各規程の方向性はバラバラになります。
例えば――
・人事評価規程では成果主義をうたいながら
・賃金規程では年功的な設計になっている
こうした不整合は、社員の行動力を阻害し現場の混乱を生みます。
まずは、自社が何を優先する会社なのかを明確にすることが出発点です。
各種規程に「何を規定するのか」を考える
就業規則(本則)には、
労働時間、休日、服務規律、懲戒、休職・退職など、会社と社員の基本的関係を定めます。
賃金規程では、
賃金体系、手当の種類、計算方法、支払方法などを明確にします。
賞与規程では、
支給の有無、算定基準、評価との関係を整理します。
退職金規程では、
支給条件や算定方法を定めます。
育児・介護休業規程では、
法令対応に加え、会社としてどこまで支援するのかを示します。
人事評価規程では、
評価基準や昇給・昇格との連動を定めます。
つまり、「就業規則をつくる」とは、
これらすべてを整合的に設計することを意味します。
働き方の基本姿勢を言語化する
自社の働き方の基本的考えも整理しておく必要があります。
「働くときはしっかり働き、休むときはしっかり休む」
「成果を重視するが、チームワークも評価する」
「長く働ける環境を整える」
こうした方針が明確になってこそ、
労働時間規定、休暇制度、評価制度が一貫性を持ちます。
社内ルールの棚卸しを行う
そして重要なのが、現状のルールの洗い出しです。
・明文化されているルール
・暗黙の了解で運用されているもの
・規程はあるが曖昧で解釈に幅があるもの
これらを整理し、恣意的な判断を排除できる形に整えていきます。
特に「その都度判断している」事項は、トラブルの火種になりやすい部分です。
就業規則は“守り”ではなく“経営ツール”
就業規則を整える目的が、
「法令違反にならないため」だけであれば、最低限の整備で終わります。
しかし本来は違います。
就業規則とは、
会社として何を大切にし、どのような働き方を実現したいのかを示す、経営の意思表示です。
自社の憲法体系をつくる――
この意識を持てるかどうかで、規程の質は大きく変わります。
条文を書く前に、まず棚卸しをする。
そこから、経営に活きる就業規則づくりが始まります。