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就業規則を経営に活かす

シリーズ第16回「労働時間と休憩・休日の定義を明確にする」

就業規則の中でも、トラブルの原因になりやすいのが「労働時間」「休憩」「休日」の定義です。
これらは単に法律に従えばよいというものではなく、
会社としてどう運用するかを明確にすることが極めて重要です。

労働時間は「原則」と「例外」をセットで考える

労働基準法では、労働時間は
1日8時間・1週40時間が上限とされています。

しかし実務では、これだけでは回らないケースも多く、
・変形労働時間制
・フレックスタイム制
・裁量労働制
などの制度が活用されます。

ここで重要なのは、
「制度を使うこと」ではなく「制度を正しく定めること」です。

これらの制度はすべて、
✔ 労使協定
✔ 就業規則での明文化

がセットでなければ有効になりません。

現場でよくあるのが、
「シフト制だから変形労働時間制になっているつもり」
というケースですが、これは制度として成立していない可能性があります。
(なんちゃって変形労働時間制を多く目にします…)

結果として、すべて時間外労働扱いになるリスクもあるため注意が必要です。

休日は「法定休日」と「所定休日」を必ず区別する

休日については、必ず整理しておきたいポイントがあります。

それが
法定休日と所定休日の違いです。

法定休日とは、法律で定められた
週1日(または4週4日)以上の休日です。

一方で所定休日とは、会社が任意に設定する休日です。

この区別が重要な理由は、
割増賃金の違いにあります。

・法定休日に働かせた場合 → 35%以上
・所定休日に働かせた場合 → 通常は25%(時間外扱い)

この区別が曖昧な会社では、
「どの日が法定休日なのか」が分からず、
結果として賃金トラブルの原因になります。

なお、今後の法改正では、
法定休日を就業規則で明確に特定する方向で議論が進んでいます。

つまり、「曖昧でもよい時代」から
「明確にしなければならない時代」へ変わりつつあるということです。

休憩時間は「与える」だけでは足りない

休憩時間については、

・6時間超 → 45分以上
・8時間超 → 1時間以上

の付与が必要です。

ただし、法律上は「何時から何時まで」といった
具体的な時刻までは定める義務はありません。

しかし実務では、ここが非常に重要です。

例えば
「好きな時間に休憩を取ってよい」としている会社で、
実際には業務の都合で休憩が取れていない場合、

これは
休憩を与えていない=違法状態になります。

そのため、就業規則やシフトで
あらかじめ休憩時間帯を明確にしておくことが、
トラブル防止の観点から有効です。

今後の法改正で求められる「休ませ方」の視点

近年の法改正の流れを見ると、
単に「働かせ方」ではなく、
どう休ませるか」が重視されています。

代表的なのが、勤務間インターバル制度です。

これは、終業から次の始業までに
一定時間の休息を確保する仕組みであり、
現在は努力義務ですが、

今後は
原則11時間の休息確保を義務化する方向で検討されています。

また、休日の取り方についても見直しが進んでおり、

・連続勤務の上限規制(14日以上はNG)
・休日の設定方法の見直し

などが議論されています。

これらは、従業員の健康確保と離職防止を目的としたものであり、
企業にとっても無視できないテーマです。

まとめ:定義の明確化が「経営の安定」につながる

労働時間・休憩・休日は、
単なる法令遵守の問題ではありません。

✔ 労働時間の定義が曖昧 → 未払残業リスク
✔ 休日の区別が曖昧 → 賃金トラブル
✔ 休憩の運用が曖昧 → 違法状態

こうした問題はすべて、
「定義の曖昧さ」から発生します。

就業規則は、会社のルールブックであると同時に、
経営を安定させるためのツールです。

だからこそ、
「とりあえず作る」のではなく、
現場で運用できる形で明確に定義することが重要です。

今一度、自社の就業規則を見直してみてはいかがでしょうか。

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