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【会社にとってよい人事評価・賃金制度とは】

シリーズ第6回 「評価制度の運用を定着させる管理職研修」

人事評価制度や賃金制度を見直そうと考える企業は少なくありません。
しかし、多くの会社で共通して見られるのが、「制度は立派に作ったのに、思うような成果が出ない」という悩みです。
多くの場合、その原因は制度そのものではなく、「運用」にあると考えています。

どれほど精緻な人事評価制度や賃金制度を構築しても、それを運用する管理職が制度の目的を理解していなければ、
その制度は十分に機能しません。

まさに「仏作って魂入れず」です。

制度は会社の骨格ですが、その制度に命を吹き込むのは管理職の日々の行動です。
だからこそ、人事評価制度を定着させるために最も重要なのは、単なる制度説明ではない管理職研修なのです。

では、管理職には何を教育すべきでしょうか。

多くの会社では、評価シートの書き方や評価基準の付け方といった「評価テクニック」を教える研修が中心です。
(1次査定の提出期日を守らせることが最優先の研修もあります 笑)
しかし、それだけでは制度は定着しません。

最初に管理職へ伝えるべきことは、「会社は何を目指しているのか」という経営理念や経営方針です。
会社がどのような価値を社会へ提供し、どのような組織を目指しているのか。
この方向性を理解しなければ、何を評価し、何を育成すべきか判断することはできません。

そのうえで、会社の目標を実現するために各部門が果たすべき役割を整理します。

営業部には営業部の役割があり、製造部には製造部、総務部には総務部の役割があります。
さらに、その役割を管理職、主任、一般社員など、それぞれの階層や職種ごとに具体的な行動へ落とし込みます。
(人事評価制度には、既にこの役割が明確になっていることが望ましいですが)

管理職研修とは、この「会社の目標」と「各部門・各階層の役割」が一本の線で結ばれていることを
理解するための確認の場
でもあります。

そして、ここからが管理職の本当の仕事になります。

管理職は、部下がその役割をどれだけ実践できているかを日々見守り、必要に応じて軌道修正し、
良い行動は認め、努力を励まし、ときには厳しく指導しながら、
一人ひとりが持つ能力を最大限に引き出していきます。

この一連の活動を全部含めたものが、人事評価制度だと考えています。

人事評価とは、半年後に点数を付けることではありません。
会社が目指す姿に向かって社員を成長へ導く継続的なマネジメント活動なのです。

だからこそ、人事評価と査定は全く別のものです。
査定は処遇を決めるための結果確認にすぎません。

一方、人事評価は社員を育て、組織を強くし、その積み重ねによって会社の業績向上を実現する経営活動です。
ここを取り違えてしまうと、人事評価制度は単なる給与決定の仕組みへと成り下がってしまいます。

さらに、管理職研修では必ず伝えなければならないことがあります。
管理職自身の人事評価は、「部下をどれだけ育成し、その能力を引き出したか」が最大の評価項目になるということです。

管理職は部下を評価する立場ですが、同時に会社から「管理職としての役割を果たしているか」を評価される立場でもあります。

売上や利益だけではなく、部下が成長し、自ら考え、役割を果たせる人材へ育っているか。
そのために日頃どのように関わり、支援し、励まし、指導してきたのか。
このプロセスこそが管理職として最も重要な職務であり、人事評価の中心になるべきです。

自分を追い越し、自分以上の成果を出せる人材を育てること。

このことを理解してもらうことが、管理職教育の目的になります。
このような管理職が育っている会社では、仮に人事評価制度に多少の改善点が残っていたとしても、
大きな問題にはなりません。管理職の日々の運用が制度の不足を補い、社員の成長を後押しするからです。

反対に、どれほど立派な制度を作っても、管理職が半年に一度査定を行うだけでは、
その制度は形だけの存在になってしまいます。

人事評価制度の肝は、評価表でも査定でもありません。
日々の運用です。

制度に命を吹き込むのは管理職であり、その管理職を育てることこそ、
人事評価制度を成功へ導く最大のポイントではないでしょうか。

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